アイアム ア ヒーロー [R15+]
2016年・日本
※R15+
ある日、ある朝。何の変哲もなかった日常が、非日常へと変わる。皆がみんな、おかしくなっていく。
いや~観てきてしまった!大泉洋目当てに!!内容もほとんど知らないまま!!!
おかげで上映中ずっとビクビクしっぱなしだった。「ZQN」といわれるゾンビたちが出てくるいわゆるゾンビ映画。でも奴らは走る。飛ぶ。ジョージ・A・ロメロのゾンビ三原則は一体どこへいってしまった?と思わざるを得ないほどのハツラツとした輝くゾンビたち。すげえ元気。スタミナハンパない。夏コミ始発で三日間ぶっ通しするオタクかのごとく。
冴えない三十代半ばの男が猟銃片手に奔走する姿はシュールなのだけれど、この非日常では何でもアリな気がしてくるのだ。で、何でもアリってことはどんな恐怖が待ち構えていてもおかしくないってこと。案の定「はああああマジでぇ!!?」な事案はわんさか発生する。
映画「ミスト」でもあったように、名前も知らない他人が複数集まって同じ場所に留まっていると、だんだんそこに“社会”が出来てくるのよね。学校も会社も家の周りだってそう、そこには社会があって、その中に我々は生きているわけ。そこでは上手くいくこともあればいかないこともあるし、誰かに傷つけられたり誰かを傷つけたりもする。それが今回の特異な環境下であればなおさら。ここで大活躍するのが俳優・吉沢悠。
ドラマや映画で拝見するたびに良い俳優さんだな…って思ってたんだけど今回ではっきり分かった。彼はすごい。すごいんだよ。語彙力がない私が彼の良さを説明するにはどれだけ時間があっても足りない。今作での役どころは頭の回転の速さを活かして皆の手綱を引っ張る圧倒的リーダー。なのに服装はオーバーオールなあたりムムッ?感がある。もうこのへんは映画を見れば全部分かるから。吉沢悠はいいぞ。
そして北国の綺羅星こと大泉洋がたたみかけるアクション。これがサイッコ~~~~~~~~~~~にアツい!この時点で観客は主人公と同化していて、時に叫び、時に苦しみながら未来へと突き進んでいく。血まみれでね。我々観客は一人の男が生きる屍となった元人間たちのアタマをブチ抜き昇天させる姿を目撃することができる、本当にラッキーな存在になれるのだ。
みんな、劇場で頭ぶち抜かれてこい。
そうだ、言い忘れてたけど劇中で流れるとある曲。荒んだ世界に射しこむ一筋の光のような音楽に耳を澄ませてほしい。